コストについて私なりの考えを書かせてもらいます。
どの企業も日々追求してることと思いますが、結論から言いますと、
「請求書の合計がコストではない」
と思います。
(例)
完成品を設計→部品加工→組立→販売と一貫して製造してる企業があるとします。
部品加工を外注するのに合い見積もりを取り、価格の安い方に発注します。
しかし、納入された品物が原因で組立に時間がかかり、かえって完成品を作るのに
時間がかかってしまった。
このような事は、ないでしょうか?あったとしても、表面に出てこないのが、
現実ではないでしょうか。
要は、どの業者に加工依頼した結果、組立時間は何時間という資料がないのです。
(部品点数も多く一概に比較するのは難しいですが)
部品代は請求書ありですが、社内での組立は請求書なしです。
「総合的な評価の重要性」
総合的にコストを考えてはどうでしょうか。
私は、「自作フライス」を作ったとき、全ての工程を一人でしましたので、
その重要性がよくわかります。
企業内のほとんどが分業制で区切られ、各部門ごとにコストを計算するため、
総合的には、なかなか見れないと思います。
組織が大きくなればなるほど隠れてしまうものです。
部品代が少しくらい安くても、組立に時間がかかっては、かえってそのほうが高くつくのではないでしょうか。
総合的に見るには、現場を一通り経験した人でなければ、なかなか出来ないと思います。
最近では、発注権限のある方にこのような能力のある方がほとんどいなくなってしまいました。コストだけではなく、仕事を総合的に見ることは、安全性や性能・技術開発などにおいても重要だと思います。
私は、以前、「仕事の流れ」として取り上げさせて頂きました。
参考になるかと思います。
「私の憂慮している技術伝承」
発注権限を持った方の素人化が、技術を正しく評価されない環境を作ってしまってると思います。
決して個人を攻めるつもりはありません。
経営者にとっても、人件費の問題もあり、「人を育てる」ことに費用と時間を掛ける事が出来なくなってしまったのだと思います。
経験不足で配属された方も被害者だと思います。わからないままに権限だけ与えられるのですから。
おおむね、バブル以前は、現場を一通り経験した方が、発注権限を持ったポストに就いていました。打ち合わせの時は、実際に部品を組み込んだ時の事を議題にしてました。
近頃は、技術的な話をすると嫌われます。
これら二つの問題(「総合的な評価の重要性」「私の憂慮している技術伝承」)を、
「素人化の影響」
と呼び、今後の課題としていきたいと思います。
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