旋盤修理

             ○旋盤修理

 

 

こんにちは

こちら大阪でも台風が気になります。

風が強いみたいなので、外の飛びやすいものを

中に入れました。

 

 

 

下スボールの修理です。


 

その前に、汎用旋盤の各部の呼び方ですが、


調べてみるといろいろな呼び方があるみたいです。


 

上から

    ・刃物台

    ・横送り台

    ・縦送り台

    ・往復台

 


が一般的なようですが、私の場合


 

上から

    ・回りスボール

    ・上(うあ)スボール

    ・下(した)スボール

    ・シレー

 


と言ってます。親父がそう呼んでました。


年配の方は今もこのように呼んでますね。

 


 

写真の機械は、昭和42年(1967年)に製造された機械で、昭和63年(1988年)に


私が中古で購入してから26年使ってます。うちで一番活躍してくれてる機械で、


手も一番入れてます。


買って即、約一ヶ月かけて大修理し、現在まで、いたるところに細工がしてあります。


大修理の時は、上スボール・下スボール・シレー全てばらして、


シェーパーで各摺動面を削り直し、キサゲで仕上げてます。


押しコップも旋盤で内径を加工し、筒は作り直しました。


またの機会に詳しく書きたいと思います。



 

 

さて、今回の修理ですが、少し前より


「そろそろ時期か」


と思いつつ時間が出来たらと延ばしてました、


下スボールの修理をしました。


NC旋盤で言うX軸の摺動面です。


ほとんどの汎用旋盤は、バイトを手前に持ってくると、


動きが固くなってきますよね。


うちもそうですが、大きい径の物を加工することの方が


少ないので向こう側の磨耗が進みます。


まずは、回りスボール・上スボールやワイパー・カバーを外し、


カミソリや送りねじ等を全てばらし、きれいに洗い、


摺動面に光明丹を付け当たりを見ます。


(片方にブルー色のものを塗る人がいますが、私はしません)


アタリがよく見えるように、工場の全ての窓や扉からの日光を


遮断します。



 

アタリは、ほぼ、予想どうりでした。


 

端面を加工して、中高にならないように注意しながら、


シカラップで取っていきます。昔風の表現ですね。


今風には、スクレパーで削っていくですかねww


年配の人同士であれば、「摺動面を摺り合わせする」で通じますが。



 

キサゲ作業の途中1/3位のところで、アタリの付き方が何かおかしいと思い、


「引き抜き」


と言う方法で摺動面の状態を調べました。


すぐに原因が解り、適切な取る部分を把握し、事なきを得ました。


 

アタリも良好となり「よし」というところで、各部品を組み立て、


切削テストです。


OKでした。


 

大修理より、26年使い続けてるわりにはそれほど磨耗はしてませんでした。


予定より短い時間で終了できたのも買って即の大修理のときに、


今後の磨耗を考慮してキサゲしたことが功を奏したようです。


私の場合「自作フライス盤」を作った時もそうですが、


単に均等にアタリを付けるのではなく、


よく使う部分は、たくさんアテ、


あまり使わない部分は、少なくアテル、


と言う方法をとってます。アタリの数を変えます。


こうすることにより、より均等に近い状態で磨耗してくれます。


 

アタリのとりかたや摺り合わせの方法は人それぞれで、


工具や光明丹の溶ぎかた、アタリは決してほかの人には見せません。


刀の焼入れの水の温度と同じだと思います。


これは、意地悪ではなく、職人の腕や技は、たやすく人に明かすのではなく、


この人ならばと言う人のみに伝えることにより、正確・確実に後世に


伝わるのだという昔からの知恵だと思います。


(このことを、記事にしようと何度も下書きをしてますが、なかなかうまく


表現できません。当社の業務内容でもある「技術伝承のお手伝い」にも


 深く関係してきますのできっちりとまとめたいと思います)


 

今回は、三本のシカラップ(スクレパー)を使いましたが、


超硬はほとんど使わず、もっぱらキンショクです。


私は、口伝えで(くちづたえ)で教わってるので、発音で覚えてますので、


どういう字を書くのかが解らないことが多々あります。


この場合「金色」ですか?


先ほどのブルー色のものは「ブリュー」と呼んでましたが、


単にブルーの聞き間違えですかね・・・

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