昭和の職人の技の総決算(まとめ)

    ○昭和の職人の技の総決算(まとめ)




 

 本題に入る前に、下記の言葉の意味をご理解ください。


  

             記


「昭和の職人の技の総決算」と名づけたこの言葉の意味


1、技術が後輩に伝わりにくくなっているので、伝えたい。(技術伝承)

2、今後、この世界に入ってくる若い人を育てる教育体制を整えたい。



時代背景が大きく影響して諸事情が加わり、上記の2点の問題が発生しているため、

これらを解決していきたいとの私の思いを込めて名づけた言葉です。







      


             本題




こんにちは

 

当社の技術伝承部門の今後の柱となることを

 

「昭和の職人の技の総決算」

 

と題して5回に分けて書かせていただきました。


当初は「年配職人の後始末」と名づけていましたが、


誤解を招くといけないので、言葉の意味を丁寧に説明しました。


その後、自分で何度も読み返し


「昭和の職人の技の総決算」と呼び名を変えることにしました。


自分の考えをうまく表す言葉が見つからず苦労しました。


内容的に非常に微妙なことを取り上げていますので、誤解があっては


大変なこととなりますので、自分なりに細心の注意を払って書き進めて行きました。


しかし、少なからず読んでいただいた方々にも、私と少し距離を置こうと


思ってる方もおられるのでは?と内心では思いながら書き進んで来ました。


それぞれの諸事情がある事と思います。実はここが技術伝承の難しいところ


でもあると思っています。私の知る限りここまで書いている方はいません。


問題意識を持っている方はたくさんおられると思いますが、諸事情で表面に出せない


ものと思います。書いた私もおそらくは反感を買っていると思います。






私の取引先はおもにメーカーさんです。そんなに大きな規模のところは


ありませんが、設計からアフターメインテナンスまで総合的に行なっています。


そのようなところと長年お取引させていただいて、バブル崩壊を境に



「技術」が後輩に伝承されなくなってきている



ことを目の当たりにしてきました。


また、メーカーではありませんが、一つの工場でありながら、その工場内で円滑に


後輩が育っている箇所と、そうでない箇所があります。


これは熟練工の方が育てる意思があるか、ないかの違いです。


(もちろん熟練工のかたにも諸事情があり、後輩の向上心にも差があります)



 もう少し見方を変えてみると、若い方も、汎用機なら先輩に教えて貰わなければ


加工できませんが、NC機はちょっと教わればある程度までの加工はすぐに


出来てしまうため、熟練工の方を尊敬の目で見れないのでしょう。


この二つが重なりその上、NC機では「腕利きになりたい」という気持ちが


強く出てこないのだと思います。若者はすぐに一人前になったかのような


錯覚に陥って技術をなめてしまい、向上心が育たないものと思います。




トヨタでは、車のスポット溶接は、現状はロボットが溶接していますが、


その技術をさらに高めるため、手でスポット溶接ができる職人を


育てています。手作業の技術をロボットに反映させるためです。


ロボットの動きを指示するのは人間ですので、その人間が現在より


うまく出来なければ、当然よりいいものは出来ません。


加工も同じく手で動かす汎用機の技術あってのNC機だと私は思います。


その大切な汎用機の技術が後輩に伝承されなくなってきています。


私はこれではいけないと思い、技術伝承に取り組んでいます。


同時に教育(特に新人教育)にも取り組んでいます。


新たにこの世界に入ってくる若い人に


基本を大切にした総合的技術力を身につけて


仕事をして頂きたいと願っているからです。


現在は分業化が進みすぎているように思います。専門の分野だけでなく、


一連のことも理解することによって「ものづくり」の楽しさや、見方が


変わってくると思います。それにより向上心や意欲がいっそう


湧き上がってくるのではないでしょうか。






  *五回に分けて書かせていただいた


    「昭和の職人の技の総決算」


     私なりに、慎重に言葉を選び、全力で書かせていただきました。


     各方々の諸事情があることは承知の上、


     また、私自身が反感を買うことは覚悟の上です。



     ・経営者や管理職の方に問題意識を持ってもらいたい


     ・特に若い方に私のような考え方もあると知ってほしい



     と言う強い思いから書かせていただきました。


     ものづくりの原点のような気がします。



■「技術伝承」について

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